テゲバジャーロ宮崎:宮崎の夢を背負いJリーグを駆け上がる挑戦者たち
テゲバジャーロ宮崎は、宮崎県宮崎市をホームタウンとする日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するサッカークラブです。
2021年にJ3リーグへ昇格し、宮崎県初のJリーグクラブとして新たな歴史を刻みました。クラブ名「テゲバジャーロ」は、宮崎の方言で「すごい」を意味する「てげ」と、スペイン語で「牛」を意味する「バカ(Vaca)」と「鳥」を意味する「パハロ(Pájaro)」を組み合わせた造語です。
これは、畜産と、日本の神話にも登場する「太陽の鳥」である鳳凰や神武天皇が金色の鳶に導かれた伝説など、宮崎の象徴を表現しています。このユニークなクラブ名には、宮崎の雄大な自然と文化、そして地域を代表する誇り高き存在になりたいという願いが込められています。
ここでは、テゲバジャーロ宮崎の歴史、理念、特徴、そして現在の活動まで解説します。
1. クラブ概要と理念
- クラブ名: テゲバジャーロ宮崎 (Tegevajaro Miyazaki)
- ホームタウン: 宮崎県宮崎市
- ホームスタジアム: いちご宮崎新富サッカー場(J3ライセンス基準)、宮崎県総合運動公園陸上競技場
- 運営法人: 株式会社テゲバジャーロ宮崎
- クラブカラー: 赤、青、白(太陽、海、空、そして情熱、知性、純粋さを表現)
- エンブレム: 中央にクラブ名の由来でもある「牛」と「鳥」を組み合わせたシンボルマーク。宮崎の太陽と海、そしてフェニックスがデザインされています。
- マスコット: 「ジンタ」と「ナナ」
- ジンタ: 宮崎の神話に登場する太陽の遣いの鳥。頭にサッカーボールをイメージした太陽冠を乗せ、宮崎を愛する心と情熱を表現。
- ナナ: ジンタのガールフレンド。好奇心旺盛で、みんなを笑顔にするのが大好き。
- クラブ理念:
- 「子どもたちに夢を」: 宮崎の子どもたちに夢と感動を与え、憧れの存在となる。
- 「宮崎を元気に」: サッカーを通じて地域を活性化し、宮崎の魅力を全国に発信する。
- 「世界に羽ばたく人材育成」: サッカー選手だけでなく、社会に貢献できる人材を育成する。
この理念に基づき、テゲバジャーロ宮崎は、単なるサッカークラブとしてだけでなく、宮崎県のシンボルとして、そして地域社会に貢献する存在として活動しています。
2. クラブの歴史
テゲバジャーロ宮崎の歴史は、決して平坦なものではなく、地域の人々の熱意と努力によって築き上げられてきました。
- 2007年: 「セントラル宮崎」として創設。宮崎県社会人リーグに参入。
- 2012年: チーム名を「テゲバジャーロ宮崎」に改称。「てげ(すごい)」+「バカ(牛)」+「パハロ(鳥)」という、現在のクラブ名のルーツが誕生。
- 2014年: 九州サッカーリーグに昇格。Jリーグ昇格を目指すための第一歩を踏み出す。
- 2016年: 九州サッカーリーグで初優勝。地域リーグの強豪としての地位を確立。
- 2017年: 全国地域サッカーチャンピオンズリーグで準優勝し、日本フットボールリーグ(JFL)への昇格を決める。
- 2018年: JFLに参入。プロの門を叩き、Jリーグ昇格への道を本格化させる。
- 2020年: JFLで2位となり、J3リーグへの昇格を決定。長年の夢であったJリーグの舞台へ、ついに足を踏み入れる。宮崎県初のJリーグクラブ誕生という快挙を達成。
- 2021年: J3リーグ参入初年度。Jリーグという新たな舞台で挑戦を始める。
- 2022年以降: J3リーグでの戦いを続け、J2リーグ昇格を目指し日々邁進している。
創設からJリーグ昇格まで、約14年の歳月を要しました。この道のりは、多くの選手、スタッフ、ボランティア、そして何よりも地域の人々の支えなしには語れません。
3. Jリーグでの戦いとチームの特徴
Jリーグに参入してからのテゲバジャーロ宮崎は、独自のスタイルを追求し、J3リーグで戦っています。
- プレースタイル: 一般的に、パスをつなぐポゼッションサッカーと、前線からの積極的な守備(ハイプレス)を組み合わせたスタイルを目指しています。粘り強く戦い、最後まで諦めない姿勢は、宮崎の県民性を表しているとも言えます。
- 育成重視の哲学: 若手選手の育成にも力を入れており、将来性のある選手を積極的に起用しています。地元宮崎出身の選手や、九州地方の大学出身選手なども多く所属しており、地域に根ざしたチーム作りを進めています。
- 監督・コーチングスタッフ: これまでの監督は、クラブのJリーグ昇格に貢献した石崎信弘氏や、Jリーグでの経験豊富な選手だった横山雄次氏など、個性豊かな指導者がチームを率いてきました。彼らのもとで、チームは着実に成長を遂げています。
- 主な在籍選手: これまでにも、Jリーグ経験のあるベテラン選手がチームを牽引し、若手選手が台頭してくる構図が見られます。地元の期待を背負う選手たちの活躍は、宮崎県民にとって大きな喜びとなっています。
4. ホームスタジアムと練習拠点
テゲバジャーロ宮崎の活動を支える重要な拠点です。
- ホームスタジアム:いちご宮崎新富サッカー場(J3ライセンス基準)
- 2020年に新富町に完成した、サッカー専用スタジアムです。J3リーグの基準を満たしており、観客席とピッチの距離が近く、臨場感あふれる観戦が楽しめます。アクセス面でも宮崎空港や宮崎市中心部からの利便性が高く、地域活性化の核となる施設です。
- サブホームスタジアム:宮崎県総合運動公園陸上競技場
- 大規模な試合や、スタジアムの利用状況に応じて、宮崎県総合運動公園陸上競技場も利用されます。
- 練習拠点: 宮崎市内の施設を中心に活動しています。日々の練習を通じて、選手たちは技術と戦術を磨き、チームワークを深めています。
5. 地域貢献活動とファン・サポーターとの交流
テゲバジャーロ宮崎は、「宮崎を元気に」という理念に基づき、様々な地域貢献活動を展開しています。
- サッカー教室の開催: 宮崎県内の小学校や幼稚園を訪問し、子どもたちにサッカーの楽しさを伝えるサッカー教室を定期的に開催しています。未来のJリーガー育成にも貢献しています。
- イベント参加: 地域のお祭りやイベントに選手やマスコットが積極的に参加し、地域住民との交流を深めています。
- 清掃活動: 地域貢献の一環として、ホームタウンの清掃活動などにも参加しています。
- 地域活性化への取り組み: 宮崎県の特産品のPR活動や観光振興にも協力し、サッカーを通じて地域の経済活性化に貢献しようと努力しています。
- ファン・サポーターとの交流: 練習見学、ファンサービス、サイン会、写真撮影会などを通じて、ファン・サポーターとの距離を縮めています。SNSを活用した情報発信や、オンラインイベントの開催なども行い、多様な形で交流を深めています。
- クラブ公式グッズ: ユニフォーム、タオルマフラー、Tシャツなど、様々なクラブ公式グッズを販売しています。これらのグッズは、ファン・サポーターがチームを応援する気持ちを表現するアイテムであると同時に、クラブの運営を支える重要な収入源となっています。
6. クラブを取り巻く環境と課題
テゲバジャーロ宮崎がJリーグでさらにステップアップしていくためには、いくつかの課題を乗り越える必要があります。
- 経営基盤の強化: Jリーグクラブとしての運営には、莫大な費用がかかります。スポンサー収入の増加、入場者数の拡大、グッズ販売の強化など、経営基盤の安定化が常に重要な課題となります。
- 集客力の向上: Jリーグの舞台で戦うためには、より多くのファン・サポーターをスタジアムに呼び込むことが不可欠です。魅力的な試合内容、スタジアムでのエンターテイメント性の向上、地域へのPR活動の強化などが求められます。
- 競技力の向上: J2リーグへの昇格、そしてさらにその先を目指すためには、チームの競技力を継続的に向上させる必要があります。選手補強、育成の強化、戦術の熟練などが課題となります。
- スタジアムの改修・整備: 将来的なJ2、J1リーグ昇格を見据えると、Jリーグのライセンス基準を満たすためのスタジアムの改修や整備も視野に入れる必要があります。
- 地域との連携強化: 宮崎県全体でクラブを盛り上げるためには、行政、企業、地域住民との連携をさらに強化し、オール宮崎でクラブを支える体制を構築することが重要です。
7. まとめ
テゲバジャーロ宮崎は、宮崎県初のJリーグクラブとして、地域に大きな夢と希望を与えてきました。その道のりは決して平坦なものではなく、多くの人々の情熱と努力によって支えられてきました。クラブ名の「テゲバジャーロ」が示すように、「すごい牛と鳥」のように、力強く、そして優雅にJリーグの舞台を駆け上がり、宮崎の誇りとなることを目指しています。
「子どもたちに夢を」「宮崎を元気に」「世界に羽ばたく人材育成」というクラブ理念のもと、地域貢献活動にも積極的に取り組み、ファン・サポーターとの絆を深めています。J2リーグ昇格、そしてその先にあるJ1リーグ参入という大きな目標に向かって、テゲバジャーロ宮崎はこれからも挑戦し続けます。
彼らの戦いは、単なるサッカーの試合に留まらず、宮崎県民の希望と誇りを乗せた壮大な物語です。テゲバジャーロ宮崎の今後の活躍から目が離せません。宮崎の太陽と雄大な自然のもと、テゲバジャーロ宮崎がさらに大きく羽ばたく日を楽しみにしています。

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